室井光広『エセ物語』刊行クラウドファンディングを実施しました
現実と虚構を往還しながら日本列島語の根源に迫り、言葉を通じた人類の相互理解可能性への悪戦苦闘という対抗的文学のイデアを具現する、室井光広氏の未完の遺作『エセ物語』。この大著を刊行するためクラウドファンディングを実施し、83人の方から総額904,000円のご寄付をいただきました。本当にありがとうございました! なお、同著は法政大学出版局から本年9月に刊行予定です。
イベント「日本・韓国の複合差別と対抗運動」
韓国日本学会の国際学術大会に参加しました
小誌編集委員・杉田俊介が、韓国日本学会の国際学術大会<反嫌悪の実践的連帯>(2023年2月11日・淑明女子大学校)に、現地で発表者として参加し、「交差的な対抗運動のために ー日本人男性とアパシーの問題」について発表を行いました。下記は「中央日報」2月14日号に掲載された記事の翻訳です。(訳:櫻井信栄 翻訳に際して当日の配付資料を参照しました。韓国語の「嫌悪 혐오」は英語「hate」の訳語です。)
【韓国日本学会、「反嫌悪の実践的連帯」国際学術大会開催】
日本社会において社会的少数者に対する差別と排除は既に昔から存在してきたが、2010年代以後現れている嫌悪は民族、人種、ジェンダーなど既存の現象だけでなく、障害、疾病、老人など社会的弱者なども複雑に交差しながら噴出しているという点で新しい様相を見せている。
このような複合的嫌悪の現実に対応するため学問的、社会的接近もまた従来の個別研究領域を越えた横断的思考が要請されている。また気候変化と汚染物質、スーパーウイルスの拡散と結びついた嫌悪は「人間」の他者に対する根本的な視線を問うという点で動物や非人間に対する思考とも接ぎ木されて省察されなけれなばならない。
これに韓国日本学会は近来日本社会の新しい動向として浮上した嫌悪現象を学術的に議題化し、これに共同で対応するための横断的学術共同体を構築するため、嫌悪現象の原因と展開様相を診断し実践的対応を論議するための国際学術会議を用意した。
今回の学術大会は嫌悪時代の社会的需要に応じた日本研究を構築し新しい韓日関係を模索するための趣旨から「反嫌悪の実践的連帯」が主題だ。
基調講演として中沢けい法政大教授が『日本のレイシズム ー経験に即して』を発表し、企画発表として李漢正祥明大教授が『「在日朝鮮人」に対する嫌悪と差別』、杉田俊介評論家が『交差的な対抗運動のために ー日本人男性とアパシーの問題』、金志映淑明女子大教授が『ヘイトを越えて、連帯と歓待の翻訳地帯へ ー日本における「K-文学」の受容をめぐって』、村上克尚東京大教授が『ヘイトに文学的想像力で抗う ー星野智幸「植物忌」を中心に』という主題で発表を進行した。
学術大会において開かれた理事会を通じて第26代韓国日本学会会長に淑明女子大学校日本学科の李志炯教授が選出された。任期は2023年3月から2025年2月まで2年間だ。オン・オフラインのハイブリッド方式によって進行された学術大会では50件余りの発表が進行され250名余りが参席して盛況裡に開催された。
てんでんこ×川根本町×『対抗言論』ミニフェアを開催します
2023年1月20日(金)~29日(日)
バロンデッセ・アートギャラリー3階
(BOOKSHOP TRAVELLER隣/東京・下北沢)
本誌編集委員・川口好美が運営する「本とおもちゃ てんでんこ」と静岡県川根本町のフェアに『対抗言論』が参加いたします。
・川根本町&「てんでんこ」の魅力がわかる展示&物販
・『対抗言論』関連書籍の特価販売(『対抗言論』関連書籍をお買い上げ頂いた方、先着80名様に「川根茶ティーパックギフト」をプレゼント。また『練習生 「対抗言論」刊行記念特別号』をプレゼント)
・「てんでんこ」のおもちゃやボードゲームで遊ぼう(幼児~ご老人)
・そのほかゲリライベント
ミニフェア詳細
本とおもちゃ てんでんこ
イベント「批評はいかにして暴力と差別に向き合うのか」
『対抗言論 vol.3』(法政大学出版局)刊行記念トークイベント
「批評はいかにして暴力と差別に向き合うのか」
矢野利裕×杉田俊介×西村紗知 司会・川口好美
★来場特典★
①『対抗言論』3号特価販売
②『練習生 「対抗言論」刊行記念特別号』贈呈(配信ご来場者含む)
田中さとみ 詩「almond paraiso」
櫻井信栄 詩「春は春」
杉田俊介 長篇エッセイ「共に学び続ける、やがて生まれはじめる死者として――ケイン樹里安氏を追悼する」
藤原侑貴 エッセイ「暗闇の中で」
③学生証提示で『対抗言論』1号または2号を贈呈
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感染症と戦争の危機、蔓延する暴力、宗教とジェンダーの抑圧構造、主権者無視の政治……。社会と文化のますますの貧困化のなかで誰もが疲弊し、傷つき、無力感を強いられる世界。
この時代の根本問題を撃ち、私たちの明日を祝福できるための言葉はいま、どこにあるのか?
元首相銃撃事件論からハラスメント問題まで、批評と文学の対抗力を蘇らせる『対抗言論 vol.3』の刊行を機に、本誌編集委員・寄稿者たちが集い、静かに熱く語ります。
【登壇者】
矢野利裕(文芸批評・音楽批評)
杉田俊介(批評家)
西村紗知(音楽批評)※20時からゲスト登壇
川口好美(文芸批評)
【開催要項】
日程:1月20日(金)19時~(開場18時30分~)
会場:読書人隣り(千代田区神田神保町1-3-5冨山房ビル6階)
◎地下鉄神保町駅(半蔵門線、都営三田線・新宿線)A7出口下車
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■注意事項
・ご入場時に受付でお名前をお申し出ください。
・感染症対策のため会場では常時換気を行います。ご来場時はなるべく温度調整のしやすい格好でご来場ください。
・来場の際、アルコール消毒をお願いいたします。
・会場内では必ずマスクを着用ください。また会場内では極力発声を控えていただきますようお願いいたします。
・イベント開催中、ライブ配信用のカメラを観客席近くに設置します。イベント内で機材の調整など係のものが作業を行うこともありますが、予めご了承ください。
■オンライン配信参加ご希望の方は、以下URLよりチケットをご購入ください■
https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230120_online